芸術的で型破りなデザインで知られるモスキーノは、メイド・イン・イタリーブランドの中でも屈指の華やかさを誇る存在です。鮮やかな色使いと個性的なラインが特徴で、ワンピースやTシャツ、クラシックなパンツからリラックスシルエットのパンツまで、さらにはスニーカー、バッグ、リュック、サングラスにもその世界観が息づいています。
物語が始まったのは1983年。フランコ・モスキーノがジャンニ・ヴェルサーチェのイラストレーターという職を離れ、自身のブランドを立ち上げたことがきっかけでした。モスキーノは当初から革新的、そして何より風変わりなブランドとして知られ、その個性がすぐさま成功へとつながりました。フランコとそのブランドは常に注目を集めていましたが、それは彼がファッション業界への社会的批判を訴えるキャンペーンに積極的に取り組んでいたことも大きな理由でした。フランコの死後、クリエイティブディレクションはロッセラ・ヤルディーニが引き継ぎます。彼女はモスキーノらしいスタイルを28年間にわたり守り抜き、ブランドが大切にしてきたポップカルチャーの哲学を貫き続けました。
モスキーノの数あるレーベルは、ブランド戦略とコミュニケーション活動を統括するモスキーノ社(Moschino SpA)が所有しています。メンズ・レディース両方を展開するメインラインのモスキーノに加え、1988年にレディースのみでスタートしたセカンドラインモスキーノ・チープ&シック、メンズ・レディースのラブ・モスキーノ、そして1986年に誕生し2008年にリニューアルされたモスキーノ・ジーンズなど、多彩なラインが存在します。
ファッションのみならずモスキーノは、その香水ラインでも長年高い評価を得てきました。チープ&シックラインの香水の多くは、ポパイの恋人オリーブをモチーフにしており、まさにこのキャラクターこそがモスキーノというブランドを象徴する存在といえます。ブランドが生み出すものはすべて、その個性そのものを映し出しており、根底にあるのは女性らしさ——少し華やかで、どこか挑発的なニュアンスを帯びた女性らしさです。
それはブランドアイデンティティや広告表現においても同様で、モスキーノが常に大切にしてきた価値観であり、この姿勢こそが他のどんなファッションブランドとも一線を画す個性を生み出してきました。モスキーノのロゴデザインは、ブランドのフルネームをシンプルな文字で表現し、金・黒・赤など用途に応じて色を変えるのが特徴です。また香水のパッケージやバッグの化粧箱、洋服のプリントなどにハートのモチーフが登場することも少なくありません。こうしたブランディングを通じて、彼らは「流行に敏感でありながら、決して流行に振り回されない」という姿勢を表現しています。モスキーノにとって、ファッションとは楽しむものであり、誰もがその楽しさを味わうべきだと考えているのです。
モスキーノならではのユニークなスタイルは、風変わりなユーモアと鮮やかな色彩のパレット、そして挑発的な雰囲気が絶妙に融合し、いつも私たちを驚かせてくれます。
2013年10月より、ジェレミー・スコットがモスキーノの新クリエイティブディレクターに就任し、14年秋冬コレクションでランウェイデビューを果たしました。
